 
●酒井秀行の夢(第74回箱根駅伝)
この名前を聞いてすぐに誰だかわかった方は、相当の駅伝ファンでしょうね。私も
毎年箱根駅伝はTV観戦しています。母校が出場していることもありまして、一年で
この時期だけは愛校心がむくむくと頭をもたげてきてしまいますね。ちなみに今年は
総合4位でした(^^;
さて、この酒井秀行選手は、早稲田大学の第5区、箱根の山登りを任された選手
でした。山登りこそ箱根の華、各校とも力のある選手を揃えてきます。その中でも
区間新記録をも期待されている強豪選手がいました。中央大学の尾方拳志選手。
彼は今年4年生、これまで3年連続して箱根の山を登り、年々その記録を伸ばして
きました。酒井選手にとっては最大のライバルと言っていいでしょう。
そして本番当日、酒井選手はひとつの夢を見たそうです。それは、先頭を走って
いた酒井選手を、後ろからやってきた尾方選手があっという間に抜き去って行くと
いう夢でした。必死になって食い下がろうとしたのですが、見る見るうちに引き離
されてしまったそうです。仲間はその話を聞いて笑いました。お前何ビビッてるん
だと。そんな仲間たちの他愛もない話の中で、酒井選手の不安も多少薄らいだかも
しれません。
ですが、それは現実となってしまったのです。先頭で走っていた酒井選手は、後ろ
から走ってきた選手にあっという間に抜き去られてしまったのです。ただ違っていた
のは、それが中央大学の尾方選手ではなく、山梨学院大学の勝間信弥選手だったこと
でした。
これは典型的な不安夢の例です。結果的に正夢のようになりましたが、区分すると
すれば不安夢の方に入ります。練習に練習を重ね、不安なことは何もないと表面意識
は感じていても、夢は深層意識から生まれてくるものです。表面意識では気がついて
いないようなことでも、夢は教えてくれるのです。大切なのは、目をそらさずにそれ
をしっかり認識することです。そうすれば、他にも見えてくるものが必ずあるはず
です。そのとき見えてくるものこそが、本当に大切なものかもしれませんよ。
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